純国産「SAMURAI TECH by Prodrone」にマルチエージェントGCSとエッジVLAを搭載した「ソブリンAI」構想を発表

2026.07.30
リリース
AI Dev Day 2026のキーノートに登壇した菅木紀代一(写真右)と伊藤聖人(写真左)

Dual-Useのドローン開発・製造を手掛ける株式会社Prodrone(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:戸谷 俊介、以下 Prodrone)は、2026年7月24日に開催された「AI Dev Day 2026」のキーノートセッションにて、次世代の純国産ドローン「SAMURAI TECH by Prodrone」の取り組みの一つである、生成AI・エッジVLAを活用した新たな自律飛行および運行管理システム構想(以下、本構想)を発表いたしました。

今回発表したのは、生成AIおよびエッジVLA(Vision-Language-Actionモデル)を活用した次世代の自律飛行・運行管理システム構想です。従来の「専門パイロットによる手動操縦」から脱却し、「人が言葉で伝えた目的を上位システムがミッションとして具体化し、ドローンが現場で最適に実行する、人とAIが協調する世界」の実現を目指します。

現在、災害調査やインフラ点検における目視外飛行(レベル4)などの運用現場では、パイロット、運行監視者、撮影・計測オペレーター、法規申請担当者といった複数の専門人材が同時に必要とされており、深刻な人材不足や習熟コストの高さが普及の課題となっています。Prodroneは、こうした「人への専門知識の依存」をAI活用によって克服し、誰もが安全・確実にドローンを運用できる社会インフラの構築を目指します。

専門家の業務を、2層のAIが引き受ける

本構想の主な技術的特徴は次の通りです。

(1) 機体側:エッジVLAによる現場でのリアルタイム自律判断
機体側(エッジ)には、視覚・言語・行動を統合するVLA(Vision-Language-Action)モデルを搭載します。地上から「この鉄塔を点検して」といった抽象的な一文の指示を受けるだけで、各種センサー情報(画像・LiDAR・風速等)をリアルタイムに解析し、安全かつ最適な飛行ルートやカメラ操作(制御コード)を現場で自律生成します。機体ごとの細かな手動操作が不要になるため、地上側のマルチエージェントシステムと連携して1人のオペレーターが複数機を統括する「一対多」の運用が実現します。

(2) 地上側:マルチエージェントGCSによる音声対話
地上側のGCS(Ground Control Station)には、自然言語で人間と対話するマルチエージェントシステムを導入します。運行監督者が「やりたいこと」や達成したい目的(※例:「河川の氾濫調査をお願い」など)を音声等で伝えるだけで、中核となるAI(オーケストレーター)がミッションに必要なタスクを計画します。そして複数の専門エージェントをオーケストレーション(協調制御)しながら、最適な機体選定、気象・地域規制の確認、飛行申請、ルート設計までを自動で立案します。さらに、安全担保として明確なルールベースの適用、最終判断を人間が行う「Human-in-the-loop」設計を徹底しています。

また、本構想は概念に留まるものではなく、これを支える要素技術の実装がすでに現場レベルで進んでいます。物体を検知・追従し、その結果を上位システムへリアルタイムに連携する機能は、実運用レベルで稼働しています。インフラ点検の自動化に直結する電線・線路の追従点検については、実証実験(PoC)を完了しました。さらに2026年5月には、音声のみで災害初動ミッションの立案から機体の発進までをシミュレータ上で実証しています。

【動画URL】マルチエージェントGCSによる音声指示と自律飛行デモ

Prodroneが考えるドローンシステム全体像

本構想における「ソブリンAI」とは、グローバルで開発された優れたクラウド基盤や推論チップ等のエコシステムを積極的に活用しつつ、「判断の主権」「日本の現場データ」「物理制御の知見」を国内(自社)で保持・運用するという考え方です。

ドローンの自律運用において、現場での即時判断、取得データの管理、そして機体の物理制御(飛行)に関する主権を自社およびオペレーター側で確実に握ることが重要となります。Prodroneが30年以上にわたりヘリコプターやドローンの設計・製造・実証で培ってきた「安全に飛ぶための正解データ」を学習させることで、日本の空や法規に最適化された信頼性の高いAIシステムを構築します。

Prodroneは、メーカーの垣根を超えて繋がる中立・開放型の基盤づくりを目指し、本システムの社会実装に向けた共創パートナー(AI基盤モデル開発企業、現場フィールドを持つ事業者、開発パートナー等)らと、ドローンを一部の専門家のものではなく社会全体を支える開かれたインフラへと進化させてまいります。

【AI Dev Day 2026について】
イベント公式URL https://aidevday.com/

【株式会社Prodroneとは】
「地域から一番信頼されるドローンカンパニーになる」をビジョンに、中部圏におけるドローンエコシステムの構築を目指しています。最大推奨ペイロード20kgで、量産を開始しているマルチコプター「PD6B-Type3」や、長距離飛行(100km実験済)が可能な「Prodrone GT-M」など、産業用ドローンの開発から生産までをワンストップで行っています。

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