日本初!ドローンが近づくと地上の信号が赤になる「空と道がつながる愛知モデル2030」 ~未来の三次元交通網を佐久島で披露~

2025.11.06
リリース
信号が変わり、ウインチを使って荷物を下すPD6B-Type3

株式会社Prodrone(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:戸谷俊介)は、2025年11月5日より、愛知県・西尾市・国土交通省と連携し、離島・佐久島におけるドローン物流の長期事業化に向けた実証実験(以下、本プロジェクト)を開始しました。本プロジェクトは「あいちモビリティイノベーションプロジェクト(※1)」の一環として、「スマートアイランド推進実証調査業務(※2)」と連携し、今後1か月にわたり実施されます。なお、株式会社Prodrone、日本航空株式会社、および名古屋鉄道株式会社の3社が中心となって本プロジェクトを推進しています。

本プロジェクトでは、一色漁港から佐久島間の海上を航路として、Prodroneの物流ドローンPD6B-Type3が荷物を運搬し、島内では自動配送ロボットと自動運転車が連携して配送を行うことで、空と道がつながる次世代物流モデルの実現を目指します。ドローン・自動配送ロボット・自動運転車という異なるモビリティが協調することで、日本初となる3次元交通網によるスマート物流モデルの検証を行います。

今年度は新たに、ドローン連動型信号機システムを島内に設置しました。ドローンが50メートル以内に接近すると信号が黄色に、さらに近づくと赤に変化する仕組みを導入しました。これにより、空域と地上交通の安全を一体的に管理し、空と道をリアルタイムに連携させる新たな試みを推進しています。
また、ウインチ式荷物着脱システムを活用し、ドローンを着陸させることなく上空から安全に荷物を届ける運用も開始。これにより、ドローン配送をより身近な社会インフラへ進化させます。

昨年度に実施した同プロジェクトでは、ドローンによる定常的な離島配送の有効性を確認しつつ、ラストワンマイル配送や運用コスト、積載制限などの課題を明らかにしました。今年度はそれらの成果を踏まえ、持続可能なビジネスモデルの構築を目指す事業化フェーズに挑みます。

今後1か月間にわたり、天候や運航条件を変えながら複数回のドローン配送および自動ロボット配送を実施し、運用コスト・安全性・住民受容性を含む事業化検証を進めていきます。

ラストワンマイルを担う自動配送ロボット

戸谷俊介(株式会社Prodrone代表取締役社長)コメント

この佐久島実証は、愛知県が掲げる「空と道がつながる愛知モデル2030」を具体化する重要な一歩です。Prodroneはドローン物流の社会実装を通じて、離島や中山間地域における生活インフラの持続可能化を支えたいと考えています。
今回は、新開発の“ウインチ式荷物着脱システム”や「ドローン連動型信号機」を導入し、安全かつ効率的な運航モデルの確立を目指します。佐久島での取り組みが、未来のスマート物流社会の実現につながることを期待しています。

関係者と自動運転ロボットおよびドローン
愛知県 経済産業局顧問 柴山政明氏
西尾市 副市長 近藤芳英氏
国土交通省 離島振興課 課長補佐 坂本祐麻氏
名古屋鉄道株式会社 事業創造部長 石外健氏
日本航空株式会社 中部支社支社長 岩見麻里氏
スギ薬局株式会社 中部営業一部 西尾東地区スーパーバイザー 馬淵浩介氏
名古屋大学 未来社会創造機構 モビリティ社会研究所 名誉教授 森川高行氏

■ 実証実験の概要
• 実施期間:2025年11月5日(水)~12月上旬(予定)
• 実施場所:愛知県西尾市佐久島および一色漁港間
• 目的:ドローンを活用した物流サービスの長期事業化に向けた検証
• 主な連携機関:愛知県、西尾市、国土交通省、名古屋鉄道株式会社、日本航空株式会社、スギ薬局株式会社、名古屋大学、リベラ株式会社

■飛行ルート
 離着陸:西尾市一色港付近~佐久島(西尾市所有空地)
 距離:約10km(主に会場上空を飛行)

【本土側離発着場所(①一色港近傍 ポンプ場跡地)】

【離島側離発着場所 ②大浦海水浴場 ③クラインガルテン)】

離島側:佐久島内に着陸場所を2か所設置

■自動配送ロボット、自動運転車走行ルート

赤:自動運転車、青:自動配送ロボット(東・西地区)

■事業実施体制(アイチモビリティイノベーションプロジェクト)

企業又は団体名 役割
株式会社Prodrone(名古屋市天白区) 事業総括、機体提供等
名古屋鉄道株式会社(名古屋市中村区) 関係者調整、運航等
日本航空株式会社(東京都) 安全管理、運航等
株式会社スギ薬局(愛知県大府市) 日用品配送の物資協力
西三河農業協同組合(西尾市) 日用品配送の物資協力
西尾市 関係者調整

■事業実施体制(スマートアイランド推進実証調査業務)

企業又は団体名 役割
株式会社Prodrone(名古屋市天白区) 事業総括、機体提供等
愛知県 関係者調整、施策検討
西尾市 離島課題検討、関係者調整、自動運転車の運行
リベラ株式会社(東京都) 物流・移動管理システムの提供、運用管理
名古屋大学(名古屋市千種区) 自動運転車の提供、運行支援
一般社団法人地域問題研究所(名古屋市中区) 今後の展開方針検討

※1)あいちモビリティイノベーションプロジェクトとは
あいちモビリティイノベーションプロジェクト「空と道がつながる愛知モデル2030」は、愛知県が推進する、ドローンや空飛ぶクルマなどの次世代空モビリティを社会実装するとともに、自動運転車などの陸モビリティとの同時制御による新しいモビリティ社会「愛知モデル」を構築し、次世代空モビリティを基幹産業化することを目的としたプロジェクトです。
https://a-idea.jp/soramichi/

※2)スマートアイランド推進実証調査業務とは
 国土交通省では、離島地域が抱える課題解決のため、ICTやドローンなどの新技術の実装を図る「スマートアイランド」の実現に向けた取組を推進しています。本プロジェクトは、令和7年度スマートアイランドの調査実施地域に選定されています。
 https://www.mlit.go.jp/report/press/kokudoseisaku11_hh_000130.html

【参照URL】
「あいちモビリティイノベーションプロジェクト「空と道がつながる愛知モデル2030」 ドローンを活用した物流サービスの長期事業化調査を実施します! ~ドローンと自動運転車が協調するスマートアイランド実現の検証~」(愛知県プレスリリース2025年10月16日) 
「あいちモビリティイノベーションプロジェクト」 離島でのドローン物流実証事業に採択 ~持続可能なドローン物流の早期社会実装を目指す~(2025年6月3日)
「国内初!1か月間連続でレベル3.5運航 ドローンによる本土離島間の多頻度配送の実証開始」(2024年10月8日)
「ドローンを活用した、河川上空を航路とする複数目的地への配送実証実験ルートのご案内」(2024年11月24日)

■株式会社Prodroneについて
「地域から一番信頼されるドローンカンパニーになる」をビジョンに、中部圏におけるドローンエコシステムの構築を目指しています。最大推奨ペイロード20kgで、量産を開始しているマルチコプター「PD6B-Type3」や、長距離飛行(100km実験済)が可能な「Prodrone GT-M」など、産業用ドローンの開発から販売までをワンストップで行っています。
 

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